ThaifoodMarket’s blog

タイフード・マーケットを運営する店長のおもろい話

うなぎ屋ライブ

うなぎ屋ライブ

池袋西口は青春の街だ。
マスターと言えば、皆さんは誰を思い出すだろうか。

「ねぇ、マスター」の清水健太郎だろうか(古!)


僕にとってマスターは池袋のうなぎ屋の主人だ。

ソロモン流に出る少し前から予約なしでは入れなくなってしまった。
毒舌で有名なお店のご主人である。

いろいろとネットを検索していると毒舌がおもしろいと出てくる。

うなぎの味はたくさんのブロガーさんが書いてくれているので、私はどの程度の毒舌なのか、毒舌の内容をいつかまとめておこうと思っていた。

毎年この時期思い出し、やっと実現。

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マスターと呼ぶのは私くらいで「大将」と呼ばれていたと思う。

私とマスターは、店の主人と客の関係ではない。
兄貴と言うほど近くはないが、ぶっちゃけかわいがってくれた。
良く怒られたし、たまに誉めてもくれた。
怖くて優しい、飾らなくて素敵な存在だ。

 

心臓ピクピク

このうなぎ屋さんの最大の特徴は、ウナギの部品(エリ、ひれ、肝、レバ、皮、一口蒲焼など)をさばきながら順番に出してくれる。

十分堪能し終わりと思っていたら、最後に動いている鰻の心臓を酒に入れてくれる。
ピクピクしていて、それがとっても楽しくて興奮したのを覚えている。
キャピキャピした女性が、「これ美味しいんですか~?」
などと聞こうもんなら
「しらねぇよ。俺食ったこと無いから。」
と、また店内は大爆笑となる。

常連になると、初めてのお客さんに串(鰻の部位)を説明しろと良く命令された。
間違うと「お前何年通ってんだ」とののしられる。
思い返せば客は皆、怒られるのが快感だったんだと思う。

 

 

接待うなぎ

それにしても金も無いのによく行った。
友達も連れて行ったし、上司や後輩と大事なお客さんを接待したりした。
そこでもマスター節がさく裂した。

後輩に向かって「そこでぼーっと見てんじゃねえよ、お客さんと来てるんならお前が動くんだよ!お前会社でもそうなんだろ!」
と初対面にも関わらず、びしびし来る。
当たっているだけに皆爆笑だった。(ごめんなツッチー)

両親も連れて行った。
入るといきなり私の父(厳格)に向かって
「すみませんね、うちのバカ息子がいつも!」
って言うもんだから父はキョトンとしていた。

 

天然うなぎ

天然ウナギが入ると、「今日あるよ」と教えてくれた。
(大体金が無いので養殖だった。養殖も十分うまい。)
今でも思い出すのは、天然うなぎを食べてたら、比較的大きい針が出て来た!

カウンター越しに見えるところに、たまに針が吊るしてあったので、嬉しくて
「マスター針!針出て来た!」と報告したら、
「新垣君、そこは普通怒るところだよ。」
とうすら笑いをされた。

 

うなぎ屋ライブ

そうだ、ライブだ。
まさにうなぎ屋ライブだ!
どんなディナーショーより楽しかった。
(ディナーショー言ったこと無いけど。)

人気店となり予約を入れないと入れなくなってもマスターは変わらなかった。

めんどくさい客には「帰れ」という。
くだを巻くであろう客にも「帰れ」と言う。
「もう酒は売り切れ。出す酒は無い」と言う。

女性であっても、いけすかないと(表現が思い浮かばない)
「とっとと食ってとっとと帰れよ」と平気で言う。
かっこいい。羨ましい生き方だ。

もう引退されて2代目の方がやっているけれど、今でもとても繁盛している。

 

ひどいわマスターったら、、、

マスターが引退する少し前、妻と元気かな?と覗きに行った事がある。

満員御礼で、うちわをパタパタやって相変わらず眼光が鋭い。
息を飲んでしまう。

マスターと目が合った、、、、。

眼光鋭いまま、

「おう、○○ちゃん(妻の事)まだ離婚してねえのかよ!」

「ひどい、ひどいわマスター。」私は心の底で叫んでいた。

 


丑の日
マスターの店は丑の日に営業しない(笑)。


「味のわかんねえ奴が丑の日に食うんだよ。」って言ってた。

 

それでも丑の日近くは大繁盛で、過去に一度手伝った事がある。
まだそれほどマスターと親しくない頃、客として行ったのに、

「おいラグビー部!」て言われてビールとか運ぶの手伝って、鰻食わずに終わりになった。(マジ)
ビールはごちそうになった気がする。

 

男気

私が会社を辞めた時、心配してくれて、飲みに連れて行ってくれた。
〇ャバクラまでおごってもらった。

マスターの奥さんに聞いたころがある。
マスターの甥っ子と飲みに行って金が無くなり、

「わたし自転車で届けたんだから」
と聞いたことがある。
ママさん(奥さん)も優しい。

※ちなみにママの「やっこ」も絶品だった。

醤油つけないで塩で食べなさいと言われた。

 

〇クザとの対決(聞いた話)
店を終わった後に、マスターとママさんと行きつけのお店にご飯を食べにいった夜、店主に絡む〇くざがいたんだって。

マスターは見てられなくなって
「外でやってくんねーかな!」
と言っちゃったそうである。

 

すると恐いおじさんから

「あんちゃん、どこの組のもんだ?」
と凄まれたそうだ。

 

マスターは真面目な顔で、「おれぁハト組だ!」
と言ったそうである。

なんだその返し!

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その後は無事だったらしいが、マスターが組長なら、ハト組もいいなと思った。

 

あぁ、もうあのライブと鰻は味わえないのかと思うと、とてもさびしくなる。
もうずいぶんとおいしい鰻を食べて無い気がする。

今日マスターに連絡してみようと思う。

「てめぇ今頃電話してきやがって!」
と言ってくれるかな。

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まだ予約なしで入れた頃、子供にうちわを持たせてくれた。

 

鰻も良いけど、ガパオもね!
って、今回は鰻のインパクト強すぎだよな(笑)

 

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