かくれんぼ
衝撃!85歳の母に杖でつつかれた!
母は今年の8月に大腿骨骨折、手術・リハビリを終え退院。
杖を使って歩けるように回復したが、現在姉と私で交互に見守り中。
家にいると、動かなくなるので、デイサービスの予定を組み、本日からいよいよ!というところで
「行きたくない」と言い出す。
僕、困る。
「長生きして欲しい、元気でいて欲しい。」そりゃ根本にはある。
でも、うろちょろされると気が散る。
母がデイサービスで楽しく過ごす時間、俺は自由になれるんだー!
仕事に集中できないに加え、
「あんたは今倉庫業をやっているのか?今日は休みか?なんで会社辞めちゃったの?お前はばかか。」
などと同じ質問を繰り返しされるので、そのたびに疲れてしまう。
「マンゴーを売っている」というと、明るい顔をするが、通販の仕事形態は理解できないらしく、また倉庫業の話に戻る。
仕事に集中したい!
エンドレスな会話を母ちゃんと何順も繰り返したくない!
なんとしてもデイサービスに行ってもらいたい!が本音。
しかし、昭和一ケタ女の頑固さはすごい。
お迎えの時間があと10分と近づくと、言葉がだんだん荒くなり始める。
顔も怖い。
「今日は行かないったら行かない!」
「電話帳を出せ!あんたが電話しないなら私が電話する!」
と、大きな声を出される。
「お母さんさ、そんなでかい声出したら、俺が虐待受けてると思って通報されるよ」
というと、
一瞬ゲラゲラと笑い、また厳しい顔で睨みつける。
お!仕方なく自分の部屋で化粧を始めた!
しかし3分くらいで
「やっぱり行かない。電話して。」と声がする。
「いや、もう車がうちに向かっているから、来たら断って。自分で」
その言葉を最後に私は【御勝手(キッチン)】に座って隠れる。
母は私の名前を叫びながら探す。
お勝手を通り過ぎて、トイレを探している。(ちゃんとノックしている。(笑))
帰って来るが、見つからない。
それでも諦めがつかず仏間や、玄関付近を探している。
自問自答もする。
「こんなに嫌がっているのに行かせていいのか?俺ってひどい?」
そんな思いがよぎる中、2回目のトイレ探しに来た!
私は集中して石に変身すると、私に気づかず通り過ぎ、トイレでまたノックする母。
このかくれんぼは俺の勝ちだ。
そう思った瞬間、テーブルにあった七味をお勝手に片づけに来て、目が合う。
「みーつけた!」なんて言うわけない。
本気で怒っている。
杖でぐりぐりと私の脇腹を攻撃してきた。
杖で殴らないのは私への愛か。
杖でぐりぐりされるのは生れて初めてかもしれない。
「もうやるだけやった。俺の負けだ。」そう思った瞬間、「ピンポーン」と玄関が鳴る。
その後のデイサービスのお兄さんと私の玄関越しの連携はすごい。
いや察してくれたお兄さんの対応が素晴らしい!
「皆さん、来てくれるのを待ってたんですよ~!」とか
「大丈夫大丈夫、髪もおきれいですよ~!」とか、、、。
その言葉に母がとった行動は、
「うそおっしゃい!」とか言いながら、お兄さんにまでぐりぐりしました。
そしてついに母は閑念(かんねん)して車に乗りました!
まさか85の母と50になって本気のかくれんぼするとは思わなかったわ。
お兄さんに 2Lマンゴー持って行こうと思う。